お掃除機能付きエアコンは必要?現役工事士の本音
家電量販店に行くと、中級グレード以上のエアコンにはほぼ「お掃除機能」がついています。数万円高くても「掃除しなくていいなら」と選ぶ方が多いのですが、現場でエアコンを毎日さわっている工事士の目線で言うと、この機能には知っておいてほしい現実があります。メーカーに忖度せず、正直に書きます。
お掃除機能が掃除してくれるのは「フィルターだけ」
お掃除機能(フィルター自動清掃)がやってくれるのは、フィルター表面のホコリを定期的にかき取ってダストボックスに集める(または屋外に排出する)ことです。ここは誤解が多いのですが——
- エアコン内部の熱交換器(アルミのフィン)は掃除されません
- カビが生えやすい送風ファンや吹き出し口も掃除されません
- ダストボックス式は、結局そのボックスを人間が掃除する必要があります
つまり「内部のカビ・においを防ぐ機能」ではありません。冷房を使えば内部は必ず結露し、カビの条件はそろいます。これはお掃除機能の有無と関係なく起こります。
むしろ困る点:分解洗浄(クリーニング)代が高くなる
お掃除機能付きのエアコンは、フィルター清掃ユニットが内部に組み込まれているぶん構造が複雑です。そのため、数年に一度の分解洗浄(エアコンクリーニング)を頼むと——
- クリーニング料金が通常機より5,000〜10,000円ほど高いのが一般的
- 分解に時間がかかる・対応できない業者もいる
- ユニットの故障リスクという部品点数ぶんの弱点も増える
💡 現場からのひとこと:「お掃除機能があるからクリーニング不要」ではなく、実際は「クリーニングは同じように必要で、1回あたりの料金が高くなる」が正解に近いです。10年使えば差額はけっこうな金額になります。
向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| フィルター掃除を自分でやりたくない/高い場所の作業がつらい | 2週間に1回のフィルター掃除が苦にならない |
| ペットの毛や砂ぼこりが多く、フィルターがすぐ詰まる環境 | 数年ごとに分解洗浄を頼んで内部まできれいに保ちたい |
| 本体価格の差額より手間の削減を優先したい | 初期費用もクリーニング費用も抑えたい |
フィルター掃除の手間が減ること自体は本当です。そこに数万円の価値を感じるかどうか、が判断軸になります。「定期的に分解洗浄を頼んで清潔に保つ派」なら、あえてお掃除機能なしのシンプルな機種を選ぶのは、現場的にはかなり合理的な選択です。
機種選びに迷ったら
部屋の広さ・築年数・使い方を入力すると、現場目線のおすすめ機種(お掃除機能の有無も考慮)を提案する無料診断を用意しています。
リモコちゃんのエアコン診断をやってみる無料・約1分・工事屋の本音つきで3機種を提案※この記事は、エアコン工事業のフジエアーテクノ(静岡県富士市)が運営するマッチングサイト「エアいる」が、現場経験にもとづいて執筆しています。特定メーカーの優劣を断定するものではなく、機能の仕組みと費用の一般論を解説しています。