引っ越しでエアコンを「移設」するか「買い替える」か|費用の実額と損をしない判断基準を現役職人が解説
- 移設の実額(税別):取り外し7,000円〜+運搬3,000円〜(10kmまで)+取り付け20,000円〜=およそ3万円から。階段搬出入や配管延長で上がります
- 判断の目安:設置から5年以内なら移設、8年を超えたら買い替えを本気で検討。10年超は移設しない方が安い
- 移設で絶対に外せないのは「ポンプダウン(ガスを室外機に回収する作業)」と「配管の新品交換」。引越し業者の「サービス取り外し」はここで事故が起きます
エアいるとは、静岡県富士市のエアコン工事店フジエアーテクノが運営する、エアコン工事専門の見積もりマッチングサイトです(登録業者84社・35都道府県・2026年9月時点)。この記事は、その運営者が現場の実例をもとに書いています。
引っ越しのとき、今のエアコンを持っていくか、置いていって新居で買い直すか。毎年3〜4月と9月に必ず聞かれる相談です。答えは「エアコンの年齢しだい」で、実額を並べればほぼ機械的に決まります。この記事では、移設の費用の実額と、判断の線引き、そして移設で本当に多い失敗を書きます。

移設にかかる費用の実額
移設は「取り外し」「運ぶ」「取り付け」の3つの工事の合計です。フジエアーテクノの料金表では次のとおり(税別)。
1. 取り外し
| 室外機の重さ | 料金 |
|---|---|
| 30kgまで(6〜10畳用が多い) | 7,000円 |
| 31〜39kg | 9,000円 |
| 40kg〜 | 11,000円 |
屋根置き・壁面・天吊りの室外機は+6,000円、ハシゴ作業は+4,000円。ポンプダウンと、外したあとの配管穴のパテ埋めは無料です。
2. 運ぶ
| 距離 | 料金 |
|---|---|
| 10kmまで | 3,000円 |
| 20kmまで | 4,000円 |
| 30kmまで | 5,000円 |
| 50kmまで | 7,000円 |
エレベーターのない2〜5階は、人力の搬出・搬入がそれぞれ2,000〜5,000円。一戸建ての中での移動(1階から2階へ、など)は無料です。引越し業者のトラックに一緒に積んでもらう場合は、この運搬費はかかりません。
3. 取り付け
| 条件 | 料金 |
|---|---|
| 配管を新品にする(当方支給・4mまで) | 20,000円 |
| 今の配管を再利用する | 18,000円 |
差は2,000円。移設では配管を新品にすることを強くおすすめします(理由は後述)。新居の条件によって、配管延長(1mあたり3,000円)や穴あけ(3,000円)などの追加が入ります。追加の項目は追加料金一覧を参照してください。
合計の例
いちばん多いパターン、「6畳用を同じ市内(10km以内)の一戸建て1階へ、配管は新品」で計算すると:
- 取り外し 7,000円
- 運搬 3,000円
- 取り付け(配管新品)20,000円
- 合計 30,000円(税別・税込33,000円)
新居が2階で室外機が1階の地面なら、配管延長3mとハシゴで+13,000円ほど。4万円台になります。
移設か買い替えか:使用年数で決める
移設費が3〜4万円かかる、という前提で考えます。
- 5年以内:移設。機械はまだ元気で、同じクラスの新品を買って工事すると8〜10万円以上かかります。
- 6〜8年:どちらもあり。移設しても2〜4年で寿命が来る可能性があり、そのとき取り外し+処分+新品の取り付けで再び費用がかかります。新居で長く住むなら買い替えが有利です。
- 8年超:買い替えを本気で検討。移設に3〜4万円かけても、コンプレッサーやファンモーターが寿命を迎えると修理代が本体価格に近づきます。新品は省エネ性能も上がっているので電気代でも差が出ます。
- 10年超:移設はおすすめしません。移設費がそのまま無駄になる確率が高いです。
もうひとつの目安は「サイズが合うか」。今の部屋が6畳で新居のリビングが14畳なら、そもそも移設しても効きません。畳数の考え方はエアコンの畳数の選び方にまとめてあります。
移設で本当に多い失敗:引越し業者の「サービス取り外し」
引越し業者のプランに「エアコンの取り外し無料」が付いていることがあります。ここで、現場で何度も見てきた失敗が起きます。
▲ 『アパートエアコン工事 引越し作業で出会ったエアコン😅なんじゃコレ、、、』(エアテクチャンネル・再生108万回)
失敗1:ポンプダウンをしていない
取り外しの前に、配管の中のガスを室外機の中に閉じ込める「ポンプダウン」という作業が必要です。これをせずに配管を外すと、ガスは全部大気に逃げます。新居で取り付けても、ガスが空なので冷えません。ガスの入れ直し(ガスチャージ)は単独で伺うと30,000円。移設費より高くつきます。
失敗2:配管を根元で切ってしまう
ナットを外さずに配管を切ってしまうと、新居で接続する部分(フレア)がなくなります。再加工の部材と手間が発生し、最悪は本体側の配管まで傷んでいて取り付け不能になります。
▲ 『エアコン工事で引越し屋さんの外したエアコンを付けようとしたらビックリした😅配管ぶった斬り💦』
失敗3:据付板とリモコンを置いてきた
室内機を壁に掛ける金具(据付板)は、壁に残ったままにされることが多いです。新居で「板がないので付けられない」となり、メーカー取り寄せで数千円と数日のロス。取り外すときに、据付板・リモコン・ボルト類を本体と一緒にまとめてください。
💡 現場からの結論:取り外しも取り付けも、同じエアコン工事店に頼むのがいちばん確実です。外した人が付けるので、ガスも配管も部品も責任が一本になります。

移設で配管を新品にすべき理由
一度曲げて壁に固定された銅の配管は、硬くなっています。外して曲げ直すと割れやすく、そこからガスが漏れます。移設した年の夏に「冷えない」となる原因の多くがこれです。差額は2,000円。ここは迷わず新品にしてください。
ドレンホース(水を流すホース)も同様で、屋外で数年たったものは硬化して割れています。こちらは新品でも1mあたり300円です。
移設の当日までにやること
- 型番と設置年を控える(本体の側面か下面のシールに書いてあります)
- 新居の設置場所の写真を4枚(室内機を付ける壁・室外機の置き場所・配管穴・分電盤とコンセント)を業者に送る
- 新居のコンセントの電圧(100V/200V)が今のエアコンと同じか確認する
- 取り外しの日と取り付けの日を決める。同じ業者なら、日程調整も一度で済みます
まとめ:5年以内なら移設、8年超なら買い替え。どちらでも「同じ工事店」に
移設の実額はおよそ3万円から。使用年数で機械的に判断して、頼むときは取り外しと取り付けを同じエアコン工事店に。これだけで、引っ越しのエアコンで泣く人はほとんどいなくなります。
エアいるでは、写真つきのチャット(約3分・無料)で複数の登録業者にまとめて見積もりを頼めます。「今の家」と「新居」の両方の写真を送れば、移設一式の見積もりが届きます。静岡県なら富士市の対応業者や静岡県の対応業者一覧、それ以外はエリアから探すから。各業者の紹介ページ(登録業者一覧)で、対応している工事(取外・移設など)も確認できます。
今の家と新居の写真を送って移設の見積もりをとるエアいる|AIチャットで約3分・全国の登録業者から地域の業者さんを紹介よくある質問
Q1. エアコンの移設費用はいくらくらいですか?
フジエアーテクノの例では、取り外し7,000円+運搬3,000円(10kmまで)+取り付け20,000円(配管新品)で、およそ30,000円(税別)からです。新居の条件(2階・配管延長・穴あけ)や階段搬出入で4〜5万円になることもあります。
Q2. 引越し業者にエアコンの取り外しを頼んでも大丈夫ですか?
ポンプダウンと配管の扱いを正しくできる業者なら問題ありません。ただし、ガスを抜いてしまう・配管を切ってしまう・据付板を置いてくる、という失敗を現場で何度も見ています。取り外しと取り付けを同じエアコン工事店に頼むのがいちばん確実です。
Q3. 何年使ったエアコンまで移設する価値がありますか?
目安は5年以内なら移設、8年を超えたら買い替えを検討、10年超は移設しない、です。移設に3〜4万円かけても数年で寿命が来る可能性があり、新品は省エネ性能も上がっているためです。
※金額はフジエアーテクノ(静岡県富士市)の料金表にもとづく実額(税別)です。地域・業者・現場条件により異なります。この記事は、エアコン工事業のフジエアーテクノが運営するマッチングサイト「エアいる」が、現場経験にもとづいて執筆しています。