エアコンのガス補充 費用はいくら?「補充だけ」が危ない理由を現役職人が解説

2026年9月14日|エアコン工事の現場から(運営:フジエアーテクノ)

要点3行

エアいるとは、静岡県富士市のエアコン工事店フジエアーテクノが運営する、エアコン工事専門の見積もりマッチングサイトです(登録業者84社・35都道府県・2026年9月時点)。この記事は、その運営者が現場の実例をもとに書いています。

「エアコンが冷えないので、ガスを補充してほしい」。夏になると必ずいただく相談です。ただ、正直に言うと、この頼まれ方をされたときに私たち職人はまず身構えます。なぜなら、家庭用エアコンのガスは、漏れていなければ減らないからです。「補充が必要」ということは「どこかから漏れている」ということで、漏れを直さずにガスだけ足しても、数週間から数か月でまた同じ症状に戻ります。

この記事では、ガス補充の費用の実額と、「補充だけ」を勧めない理由、そして本当に必要な修理の中身を書きます。

室外機の細い配管に霜がついているのを確かめるエアコン工事士のイラスト

最初に知ってほしいこと:エアコンのガスは「消耗品」ではない

車のガソリンのように使えば減るもの、と思っている方が多いのですが、エアコンの冷媒ガス(R32やR410A)は配管の中を循環しているだけで、正常なら10年でも15年でも減りません。減る理由はひとつ、どこかに漏れる穴や隙間があるからです。

だから「ガス補充」という言葉は、正確には「ガス漏れ修理」の一部でしかありません。ここを押さえておくと、業者の説明の良し悪しが判断できるようになります。

ガス補充の費用(実額と相場)

フジエアーテクノの料金表では、次のとおりです(税別)。

作業金額
ガスチャージ(取り付け作業と一緒に行う場合)20,000円
ガスチャージ(単独で伺う場合)30,000円
ガス回収(古い機械のガスを回収機で抜く作業・1台分)3,000円

世間の相場としては、「ガス補充のみ」で15,000〜25,000円、「漏れ箇所の修理+真空引き+規定量のガス入れ替え」で30,000〜50,000円あたりが多いようです。

ガス代そのものより、漏れている場所を探して直す作業に費用がかかります。R32(新しい機種)とR410A(10年くらい前までの機種)は混ぜられないので、機種によって使うガスも変わります。

なぜ「補充だけ」が危ないのか

理由1:漏れを直していないので、また抜ける

いちばん単純な理由です。漏れ量が少なければ1シーズンもつこともありますが、翌年また同じことになります。2万円を毎年払うことになるなら、最初に漏れを直したほうが安上がりです。

理由2:「どれだけ足せばいいか」が分からない

エアコンのガスは「規定量」が機種ごとにグラム単位で決まっています。今どれだけ残っているかは、正確には測れません。だから正しい手順は、一度全部回収してから、真空引きをして、秤で規定量を入れ直す、です。「圧力を見ながら足す」だけの補充は、多すぎても少なすぎても効きが悪くなり、多すぎる場合はコンプレッサー(室外機の心臓部)を痛めます。

理由3:空気や水分が混ざっている可能性がある

ガスが漏れて配管内の圧力が下がると、逆に外の空気や湿気が入り込むことがあります。この状態でガスだけ足すと、中に水分が残ったまま運転することになり、配管が凍ったり、コンプレッサーの寿命を縮めたりします。真空引きをやり直す理由はここにあります。

ガス漏れの見分け方(現場で見るサイン)

自分でも確かめられるサインが3つあります。

  1. 室外機につながる細い方の配管に、白い霜や氷がついている:ガスが減ると配管の一部が異常に冷えて凍ります。夏なのに配管が凍っていたら、ほぼガス漏れです。
  2. 運転して15分たっても、風は出るのに冷えない:風量は正常で、温度だけ下がらないのが特徴です。フィルター詰まりや水漏れとは違う症状なので、水漏れの記事と見比べてください。
  3. 配管の接続部(室外機の横)に、じわっとした油汚れがある:冷媒ガスはオイルと一緒に漏れるので、漏れた場所は黒っぽく湿った跡が残ります。

「配管が凍る」現象は、動画で見てもらうのが早いです。

▲ 『エアコン効かない【ガス漏れ?】配管凍結なぜ?』(エアテクチャンネル・再生23.3万回)

配管の接続部を締め直し、真空ポンプと秤でガスを規定量入れる修理のイラスト

漏れの原因トップ3(現場で本当に多い順)

1位:取り付け時のフレア加工の不良

配管の端をラッパ状に広げて(フレア加工)、ナットで締めて接続します。ここの加工が甘い、締め付けが足りない、ゴミを噛んでいる、といった施工ミスがガス漏れの原因の大半です。去年設置したばかりのエアコンで、フレアの不良からガスが全部抜けていた現場がありました。

▲ 『繁忙期!去年設置エアコン【ガス漏れ】オーマイガーの怒りマーク💢』(再生23.4万回)

この場合の修理は「フレアをやり直して、真空引きをして、規定量を入れる」で、部品代はほぼかかりません。ただし工事から1〜2年以内なら、まず取り付けた業者に工事保証で直してもらうのが先です。

2位:配管そのものの傷・腐食

外壁を這う配管が、テープの劣化で断熱材がむき出しになり、そこから配管に小さな穴があく。あるいは、引っ越しで配管を再利用したときに曲げすぎて割れる。こうした漏れは、漏れている位置を探すのに時間がかかるぶん費用も上がります。配管の交換が必要なら、化粧カバーや配管延長の費用(追加料金一覧)がここに乗ります。

3位:室内機の熱交換器の腐食(スローリーク)

室内機の中のアルミの部分がゆっくり腐食して、針の穴のような漏れが起きるものです。10年前後のエアコンに多く、部品の交換はメーカー修理になります。この場合、修理費が3万〜5万円を超えることも珍しくなく、買い替えを勧める場面が多いです。

プロの正しい修理手順

「補充だけ」ではなく、私たちが実際にやっている手順です。

  1. 漏れ探し:検知器や発泡液で、どこから漏れているかを特定する
  2. 修理:フレアの再加工、配管の交換など、原因に合わせて直す
  3. 真空引き:配管の中の空気と水分を抜く(ここを省く業者は避けてください)
  4. 規定量チャージ:機種ごとの規定量を、秤でグラム単位で入れる
  5. 試運転:圧力と温度を確認して完了

💡 現場からのひとこと:「1」と「3」をやらない見積もりが「補充のみ 1万円台」の正体です。安いのには理由があります。

修理するか、買い替えるか

まとめ:頼むなら「ガス補充」ではなく「ガス漏れの点検と修理」

同じ2万円を払うなら、「補充」より「漏れの特定と修理」に払ってください。見積もりのときに「漏れ探しはしますか」「真空引きはしますか」「規定量は秤で入れますか」の3つを聞けば、まともな業者かどうかはすぐ分かります。

エアいるでは、写真つきのチャット(約3分・無料)で複数の登録業者にまとめて相談できます。「配管が凍っている」「室外機の横が油で黒い」といった写真を送ってもらえれば、業者側の判断も早くなります。静岡県なら静岡県の対応業者一覧、それ以外はエリアから探すから。各業者の紹介ページ(登録業者一覧)で、対応している工事の種類も確認できます。

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よくある質問

Q1. ガス補充だけをお願いすることはできますか?

できますが、おすすめしません。漏れている原因を直さない限り、また減ります。まず漏れ探しをして、原因と修理費を聞いてから判断してください。

Q2. ガス補充の費用の目安は?

フジエアーテクノの例では、取り付けと同時なら2万円、単独で伺う場合は3万円(いずれも税別)です。漏れ箇所の修理を含めると、世間相場で3万〜5万円程度になります。

Q3. 自分でガスを補充できますか?

おすすめしません。冷媒ガスの取り扱いには専用の道具と知識が必要で、フロン類の放出は法律(フロン排出抑制法)で規制されています。量を間違えるとコンプレッサーを壊し、修理より高くつきます。

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※金額はフジエアーテクノ(静岡県富士市)の料金表にもとづく実額(税別)と一般的な目安です。地域・業者・機種により異なります。この記事は、エアコン工事業のフジエアーテクノが運営するマッチングサイト「エアいる」が、現場経験にもとづいて執筆しています。