エアコンのガス補充 費用はいくら?「補充だけ」が危ない理由を現役職人が解説
- エアコンのガスは漏れなければ減りません。「補充が必要」=「どこかから漏れている」です
- 費用の実額:取り付けと同時なら20,000円、単独なら30,000円(税別)。漏れ修理込みの相場は3万〜5万円
- 頼むなら「補充」ではなく「漏れ探し→修理→真空引き→秤で規定量」。補充だけは数か月でまた効かなくなります
エアいるとは、静岡県富士市のエアコン工事店フジエアーテクノが運営する、エアコン工事専門の見積もりマッチングサイトです(登録業者84社・35都道府県・2026年9月時点)。この記事は、その運営者が現場の実例をもとに書いています。
「エアコンが冷えないので、ガスを補充してほしい」。夏になると必ずいただく相談です。ただ、正直に言うと、この頼まれ方をされたときに私たち職人はまず身構えます。なぜなら、家庭用エアコンのガスは、漏れていなければ減らないからです。「補充が必要」ということは「どこかから漏れている」ということで、漏れを直さずにガスだけ足しても、数週間から数か月でまた同じ症状に戻ります。
この記事では、ガス補充の費用の実額と、「補充だけ」を勧めない理由、そして本当に必要な修理の中身を書きます。

最初に知ってほしいこと:エアコンのガスは「消耗品」ではない
車のガソリンのように使えば減るもの、と思っている方が多いのですが、エアコンの冷媒ガス(R32やR410A)は配管の中を循環しているだけで、正常なら10年でも15年でも減りません。減る理由はひとつ、どこかに漏れる穴や隙間があるからです。
だから「ガス補充」という言葉は、正確には「ガス漏れ修理」の一部でしかありません。ここを押さえておくと、業者の説明の良し悪しが判断できるようになります。
ガス補充の費用(実額と相場)
フジエアーテクノの料金表では、次のとおりです(税別)。
| 作業 | 金額 |
|---|---|
| ガスチャージ(取り付け作業と一緒に行う場合) | 20,000円 |
| ガスチャージ(単独で伺う場合) | 30,000円 |
| ガス回収(古い機械のガスを回収機で抜く作業・1台分) | 3,000円 |
世間の相場としては、「ガス補充のみ」で15,000〜25,000円、「漏れ箇所の修理+真空引き+規定量のガス入れ替え」で30,000〜50,000円あたりが多いようです。
ガス代そのものより、漏れている場所を探して直す作業に費用がかかります。R32(新しい機種)とR410A(10年くらい前までの機種)は混ぜられないので、機種によって使うガスも変わります。
なぜ「補充だけ」が危ないのか
理由1:漏れを直していないので、また抜ける
いちばん単純な理由です。漏れ量が少なければ1シーズンもつこともありますが、翌年また同じことになります。2万円を毎年払うことになるなら、最初に漏れを直したほうが安上がりです。
理由2:「どれだけ足せばいいか」が分からない
エアコンのガスは「規定量」が機種ごとにグラム単位で決まっています。今どれだけ残っているかは、正確には測れません。だから正しい手順は、一度全部回収してから、真空引きをして、秤で規定量を入れ直す、です。「圧力を見ながら足す」だけの補充は、多すぎても少なすぎても効きが悪くなり、多すぎる場合はコンプレッサー(室外機の心臓部)を痛めます。
理由3:空気や水分が混ざっている可能性がある
ガスが漏れて配管内の圧力が下がると、逆に外の空気や湿気が入り込むことがあります。この状態でガスだけ足すと、中に水分が残ったまま運転することになり、配管が凍ったり、コンプレッサーの寿命を縮めたりします。真空引きをやり直す理由はここにあります。
ガス漏れの見分け方(現場で見るサイン)
自分でも確かめられるサインが3つあります。
- 室外機につながる細い方の配管に、白い霜や氷がついている:ガスが減ると配管の一部が異常に冷えて凍ります。夏なのに配管が凍っていたら、ほぼガス漏れです。
- 運転して15分たっても、風は出るのに冷えない:風量は正常で、温度だけ下がらないのが特徴です。フィルター詰まりや水漏れとは違う症状なので、水漏れの記事と見比べてください。
- 配管の接続部(室外機の横)に、じわっとした油汚れがある:冷媒ガスはオイルと一緒に漏れるので、漏れた場所は黒っぽく湿った跡が残ります。
「配管が凍る」現象は、動画で見てもらうのが早いです。
▲ 『エアコン効かない【ガス漏れ?】配管凍結なぜ?』(エアテクチャンネル・再生23.3万回)

漏れの原因トップ3(現場で本当に多い順)
1位:取り付け時のフレア加工の不良
配管の端をラッパ状に広げて(フレア加工)、ナットで締めて接続します。ここの加工が甘い、締め付けが足りない、ゴミを噛んでいる、といった施工ミスがガス漏れの原因の大半です。去年設置したばかりのエアコンで、フレアの不良からガスが全部抜けていた現場がありました。
▲ 『繁忙期!去年設置エアコン【ガス漏れ】オーマイガーの怒りマーク💢』(再生23.4万回)
この場合の修理は「フレアをやり直して、真空引きをして、規定量を入れる」で、部品代はほぼかかりません。ただし工事から1〜2年以内なら、まず取り付けた業者に工事保証で直してもらうのが先です。
2位:配管そのものの傷・腐食
外壁を這う配管が、テープの劣化で断熱材がむき出しになり、そこから配管に小さな穴があく。あるいは、引っ越しで配管を再利用したときに曲げすぎて割れる。こうした漏れは、漏れている位置を探すのに時間がかかるぶん費用も上がります。配管の交換が必要なら、化粧カバーや配管延長の費用(追加料金一覧)がここに乗ります。
3位:室内機の熱交換器の腐食(スローリーク)
室内機の中のアルミの部分がゆっくり腐食して、針の穴のような漏れが起きるものです。10年前後のエアコンに多く、部品の交換はメーカー修理になります。この場合、修理費が3万〜5万円を超えることも珍しくなく、買い替えを勧める場面が多いです。
プロの正しい修理手順
「補充だけ」ではなく、私たちが実際にやっている手順です。
- 漏れ探し:検知器や発泡液で、どこから漏れているかを特定する
- 修理:フレアの再加工、配管の交換など、原因に合わせて直す
- 真空引き:配管の中の空気と水分を抜く(ここを省く業者は避けてください)
- 規定量チャージ:機種ごとの規定量を、秤でグラム単位で入れる
- 試運転:圧力と温度を確認して完了
💡 現場からのひとこと:「1」と「3」をやらない見積もりが「補充のみ 1万円台」の正体です。安いのには理由があります。
修理するか、買い替えるか
- 設置から5年以内、原因がフレア不良や配管の傷:修理一択。2〜3万円で直り、そのあと10年使えます。
- 設置から10年以上、原因が熱交換器の腐食:買い替えを検討。修理に4〜5万円かけても、他の部品が寿命を迎えます。
- 原因が分からない・毎年補充している:一度きちんと漏れ探しをしてもらってください。「毎年ガスを足す」のは、修理ではなく延命です。
まとめ:頼むなら「ガス補充」ではなく「ガス漏れの点検と修理」
同じ2万円を払うなら、「補充」より「漏れの特定と修理」に払ってください。見積もりのときに「漏れ探しはしますか」「真空引きはしますか」「規定量は秤で入れますか」の3つを聞けば、まともな業者かどうかはすぐ分かります。
エアいるでは、写真つきのチャット(約3分・無料)で複数の登録業者にまとめて相談できます。「配管が凍っている」「室外機の横が油で黒い」といった写真を送ってもらえれば、業者側の判断も早くなります。静岡県なら静岡県の対応業者一覧、それ以外はエリアから探すから。各業者の紹介ページ(登録業者一覧)で、対応している工事の種類も確認できます。
写真を送って無料で相談するエアいる|AIチャットで約3分・全国の登録業者から地域の業者さんを紹介よくある質問
Q1. ガス補充だけをお願いすることはできますか?
できますが、おすすめしません。漏れている原因を直さない限り、また減ります。まず漏れ探しをして、原因と修理費を聞いてから判断してください。
Q2. ガス補充の費用の目安は?
フジエアーテクノの例では、取り付けと同時なら2万円、単独で伺う場合は3万円(いずれも税別)です。漏れ箇所の修理を含めると、世間相場で3万〜5万円程度になります。
Q3. 自分でガスを補充できますか?
おすすめしません。冷媒ガスの取り扱いには専用の道具と知識が必要で、フロン類の放出は法律(フロン排出抑制法)で規制されています。量を間違えるとコンプレッサーを壊し、修理より高くつきます。
※金額はフジエアーテクノ(静岡県富士市)の料金表にもとづく実額(税別)と一般的な目安です。地域・業者・機種により異なります。この記事は、エアコン工事業のフジエアーテクノが運営するマッチングサイト「エアいる」が、現場経験にもとづいて執筆しています。