エアコン取り付けを自分で(DIY)やるのはやめたほうがいい3つの理由|失敗の実例と、業者に頼んだときの実額

2026年9月21日|エアコン工事の現場から(運営:フジエアーテクノ)

要点3行

エアいるとは、静岡県富士市のエアコン工事店フジエアーテクノが運営する、エアコン工事専門の見積もりマッチングサイトです(登録業者85社・35都道府県・2026年9月時点)。この記事は、その運営者が現場の実例をもとに書いています。

「エアコンの取り付けくらい自分でできるのでは」という相談は、YouTubeのコメント欄で毎月のように来ます。結論から言うと、DIYそのものを否定はしません。ただ、現場で"DIYのあとしまつ"を何度もしてきた立場から、やめたほうがいい理由を3つ、実例つきで書きます。読んだうえで「それでもやる」なら、最後に最低限守ることも書いておきます。

脚立の上で室内機を持ち上げようとして困っている人と、真空ポンプやゲージが並んだ床のイラスト

▲ 『エアコン取り付けDIY【プロが解説】絶対にやめるべき3つの理由』(エアテクチャンネル)

理由1:真空引きが足りないと、その年の夏に冷えなくなる

室内機と室外機を配管でつないだあと、配管の中の空気と水分を「真空ポンプ」で抜く作業を真空引きといいます。これが不十分だと、配管の中に残った水分が冷媒(ガス)と混ざって、圧縮機の中で悪さをします。

症状は「取り付けてすぐは冷えるのに、夏の暑い日に効かなくなる」「数か月で冷えが弱くなる」。原因が真空引きだと気づかずに「ガスが少ないのでは」とガスを足してしまい、さらに悪化するパターンを何度も見ました。

プロの現場では、真空ポンプで15〜20分引いたあと、ゲージの針が戻らないことを確認してから冷媒を開放します。DIYの動画では「エアパージ(ガスで空気を押し出す)で代用」という古い方法が出てきますが、今の冷媒(R32・R410A)ではやってはいけません。

理由2:フレア加工の失敗で、冷媒を全部放出する

配管の端をラッパ状に広げて、ナットで締めて密着させる加工を「フレア加工」といいます。ここが甘いと、締めた瞬間は大丈夫でも、運転中の振動で少しずつ漏れます。締めすぎても割れます。

▲ 『お客さんがDIYでエアコン取付失敗‼︎ガスを大気に全放出 フレアの修理及びR32規定量ガス補充してきた!』

上の動画は、DIYで取り付けたお客様から「冷えない」と呼ばれた現場です。フレアが切れて冷媒が全部抜けていました。直すには、フレアを切り直して、真空引きをやり直して、冷媒を規定量入れ直す。この作業だけで、フジエアーテクノの料金表ではガスチャージ単独作業30,000円(税別)です。取り付けを最初から頼むより高い。

フレア加工は、専用のフレアツールと、締め付けの力を管理するトルクレンチが要ります。「手の感覚で締める」は、毎日やっている職人でも失敗することがある作業です。

理由3:コンセントの工事は資格が要る(やると違法)

エアコンには専用のコンセントが必要です。「部屋にコンセントがないから延長コードで」は火災の原因になりますし、「200Vのエアコンだから既存の100Vコンセントを200Vに切り替える」「専用回路を分電盤から引く」は、電気工事士の資格がないと行えません(電気工事士法)。

DIYの記事で「ブレーカーを落とせば安全」と書いてあるものがありますが、資格の話は安全とは別の問題です。無資格工事は法律違反で、火災保険が下りないケースもあります。専用コンセントの詳しい話はエアコン専用コンセントとは?ない場合の増設工事の費用にまとめました。

配管の端をフレアツールで広げ、トルクレンチで締める作業をしている職人の手元のイラスト

DIYで浮く金額と、失うもの

フジエアーテクノの料金表(税別)で計算します。

項目金額
取り付け基本工事(3.6kWまで・配管4mまで込み)18,000〜20,000円
DIYで最低限必要な道具(真空ポンプ・マニホールドゲージ・フレアツール・トルクレンチ・パイプカッター)20,000〜30,000円
失敗したときのガスチャージ(単独作業)30,000円

1台だけ取り付けるなら、道具代で工事費が消えます。2〜3台やるなら計算上は浮きますが、そのぶん失敗の回数も増えます。そして、失敗のやり直しは、最初から頼むより高い。これが「やめたほうがいい」の一番の理由です。

もうひとつ失うのはメーカー保証です。多くのメーカーは、施工不良が原因の故障は保証の対象外にしています。DIYの取り付けが原因と判断されると、本体の修理も有料になります。

それでもDIYでやるなら、最低限これだけは

  1. 真空ポンプとゲージは必ず使う。エアパージはしない
  2. フレアはトルクレンチで規定トルクで締める(本体の据付説明書に数値が書いてあります)
  3. 電気の工事(コンセント新設・200V切替・専用回路)は一切やらない。必要なら電気工事士に頼む
  4. 室内機を掛ける据付板は、壁の下地(柱・間柱)にビスを効かせる。石こうボードだけに留めると落ちます
  5. ドレン(排水)ホースは必ず下り勾配で。逆勾配は水漏れの原因です

💡 現場からの結論:「本体はネットで安く買って、取り付けだけ業者に頼む」のが、いちばん安くて確実です。この頼み方(施主支給)の注意点は施主支給でエアコン取り付けを頼むときの注意点に書きました。

まとめ:DIYは"浮かない・保証が消える・失敗が高い"

取り付け工事費は2万円前後。道具代で消えて、失敗すると3万円以上、保証もなくなる。数字だけ見れば、DIYを選ぶ理由はほぼありません。それでもやりたい人は「作業そのものが好き」という人だと思います。その場合は、上の5つだけは守ってください。

エアいるでは、写真つきのチャット(約3分・無料)で複数の登録業者にまとめて見積もりを頼めます。ネットで買った本体の型番と設置場所の写真を送れば、取り付けだけの見積もりが届きます。静岡県なら富士市の対応業者静岡県の対応業者一覧、それ以外はエリアから探すから。

設置場所の写真を送って取り付けの見積もりをとるエアいる|AIチャットで約3分・全国の登録業者から地域の業者さんを紹介

よくある質問

Q1. エアコンの取り付けは資格がなくても自分でできますか?

配管をつないで室内機を掛けるだけなら法律上の資格は要りません。ただし、専用コンセントの増設や200Vへの切り替えなど電気の工事は電気工事士の資格が必要で、無資格で行うと法律違反です。また、真空引きとフレア加工を正しくできないと、取り付けた年の夏に「冷えない」状態になります。

Q2. DIYで取り付けると、いくら浮きますか?

フジエアーテクノの例では、標準的な取り付け工事は18,000〜20,000円(税別)です。DIYで必要な道具(真空ポンプ・ゲージ・フレアツール・トルクレンチ)を最低限そろえると2〜3万円かかるため、1台だけなら浮くお金はほとんどありません。

Q3. DIYで失敗したエアコンは、業者に頼めば直りますか?

多くの場合は直ります。ただし、ガスが抜けていればガスチャージが単独作業で30,000円、フレアの再加工や配管の交換が別途かかります。取り付けを最初から業者に頼むより高くなるのが普通です。

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※金額はフジエアーテクノ(静岡県富士市)の料金表にもとづく実額(税別)です。地域・業者・現場条件により異なります。この記事は、エアコン工事業のフジエアーテクノが運営するマッチングサイト「エアいる」が、現場経験にもとづいて執筆しています。